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上総国分寺散歩


昨日から続く事務作業でかなりグロッキー状態(事務作業が超苦手)のまま嫁ちゃんを迎えに行くついで、国分寺および上総国分寺跡を先生とふらふらしてきました。草地の中でもっこりしているのはコスモスとヒマワリ。建物の配置を表しているそうですよ。しかし、植物や自然を専門に研究していたり愛好家の方からこそ、なぜコスモスやヒマワリを植えるのか・・という当たり前な疑問が聞こえてくる悲哀さよ。個人的には自然に目を向けてもらうきっかけになるので良いんじゃないかな〜思います。植えないけどね。


草地の大部分は著しく劣化した植生しか見られず。見た目はよく似ている昨日の草地とは全く違う環境。強健なヤブガラシの他に優占するのはセイバンモロコシという中東原産のイネ科の植物。猛毒のシアン化水素や硝酸塩を体内に生成するので結構厄介な存在。草刈りとかで日常的に曝露するのもちょっとためらわれる。除草剤に対する耐性を持つ能力も高くて、喧嘩すればするほどパワーアップします。


エノキなどの樹木が生える近くだけはツルボやノブドウなんかが見られます。こういった微妙な環境差が起こるのは日照量とかよりも土壌に要因がありそうですね。


また、こちらの七重塔の礎石周りに草原植生らしい草花がわずかに見られます。


特徴的なものをいくつか。ナンテンハギとワレモコウ、そしてミヤコグサ。他にも大小様々な草花が見られます。


木々の根元にボールが落ちてるなと近づいてみるとキノコでした。久しぶりに見たオニフスベ。でけぇ。先生もびっくり。


木々を囲むように点々と10個ほどの子実体。一個割れていたものを触ってみると完全にはんぺんである。ヨーロッパでは食用にするそうですよ。


国分寺も少し散歩。あたりにバラバラと転がる土器片。


昨年、30年ぶり(でしたっけ?)に葺き替えられた茅葺き屋根の薬師堂。旧本堂。


実は、作業時に見学させてもらいました。いくつかその時の写真を。職人さんは全員山梨から来られて、茅材料は全てススキでそれこそ富士山麓産とのことでした。地産地消できればなぁ。


本当は一般見学もなく立ち入りはダメだったんですけど、いいよ〜ということで時効。1/3は以前の屋根に使われていた茅を再利用し、その中にはさらに以前に吹き替えた時の茅もあるそうです。植木屋さんならすぐできるよと言われたことも印象に残っています。確かに使う道具はよく似ている。


貴重な工事を見ることができて良かったです。木(植物)と紙と土だけで作られた建築は至高。こういうものこそ一般見学できるようになれたら良いのにな。ちなみに市原市の茅場だったところはほぼゴルフ場や産廃処分場となっています。でも茅場として使えるところは他にもいっぱいある。茅葺き屋根の再評価が著しいヨーロッパを参考に、復活できたら良いなと思います。

施工した茅吉さんのブログを発見しました!
千葉県市原市 国分寺薬師堂 茅葺屋根葺き替え工事
https://blog.kayakichi.jp/posts/32065578/


薬師堂の前では植えられたカリガネソウの花が咲き残っていました。養老渓谷などで木陰にひっそり咲く花、というイメージ。山の花です。

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コメント: 1
  • #1

    松井哲洋 (月曜日, 02 10月 2023 13:19)

    昨年9月上総国分寺跡 ご散歩されたのですね
    この地は40年ほど前までは畑と民家、国管理後には背丈ほどのススキ・秋ノキリン草、セイバンモロコシと卓越草が変遷、塔跡は私が勝手に40年間草刈、かろうじて昔からの植生が残る、遊歩道は夏場週1草刈り、草刈りだけではあきちゃうので市花コスモス県花菜の花で古代伽藍のお絵描き遊び、節操のない花でセイバンモロコシと良い勝負、人間は何もしないのがよいのかも、自然と人間との最適距離は難しい